『戦後の精神史』(平川祐弘)


副題は、竹山道雄、渡邊一夫、E・H・ノーマンであるが、平川の意図するところは、竹山道雄(平川は竹山の婿)の再評価、ノーマンの評価格下げ、渡邊の卑下癖確認、といったところか。

英題The spirit of our timesの意味は、初めは良くわからなかった。The spiritは単数形、平川の使う言葉で言えば和魂の魂であろうか、などと考えていたが、本文を読んでみると、竹山道雄の『昭和の精神史』
を英訳(1958)したHarrisonのガリ版の題と同じなのだ。自分の本が竹山の続篇だと考えているからだろう。

平川は英独仏伊に堪能という点を自負しているようだが、たとえば渡邊が伊語が出来ないからといって貶めるのはいただけない。そのほかにも著名な学者たちを語学力で評価している。

平川は人も知る、「つくる会」や「日本会議」の背後の泰斗?である。ノーマン、渡邊、大江、加藤周一の系譜との決定的な違いは、天皇制の是非であろう。









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