16世紀、ルネサンスの黄昏。こんにちマニエリスムと呼ばれる芸術運動を建築絵画で代表するのが、マントヴァにあるジュリオ・ロマーノのテ離宮だ。
この離宮は最近まで修復されてなく、最初はつまらない建造物ととらえられていたそうだ。磯崎新は、自らの建築スタイルを、ロマーノに重ねて語る。パッラーディオとは対極の逸脱の鬼才ロマーノは異端的で、弟子はいない。
撮影した篠山紀信は、本書の取材時、南沙織と逃避行中だったそうだ。母イザベル・デステから逃れようとするフェデリーコ・ゴンザーガと重ねて、この場所に思い入れがあるらしい。
磯崎は1968年の文化革命と、サッコ・ディ・ローマを比較して、ロマーノに崩壊感覚の先取りを見ている。
P.S なお、現地では、パラッツォ・テという。デルは入らない。
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。