
日本の人口減少問題。意外と関連書が少ない。喫緊の問題であるはずがそれほど緊張感を持って受けとられていない点で地球温暖化と似ている。
アンケートを取っても、いまの人口は多すぎるが1億人を死守する(安倍政権)ほどのことはないだろう、といった意見が大半だ。
しかし今の趨勢が続けば、50年後には8000万、さらに100年後には5000万人前後になることが推測される。そうなったら社会はどうなるのか。
著者は、人口減少社会、高齢化社会を口実に社会保障削減、消費増税を目論む安倍内閣を批判する。少子化社会対策の失敗を政府財界社会のトリプルエラーと分析する。さらにAIや移民によって解決する方法にも批判を加える。根本原因は、取りも直さず、日本の資本主義社会の歪みが産めない社会を作ってきたのだ、と。
著者は、かもがわ出版から著書のいくつかを出している。