『日本の近代とは何であったか』(三谷太一郎)



日本の近代とは何であったか。総論的に叙述した好著。左右イデオロギー史観から離れた現在、さまざまな議論の下敷きとなり得る視点を提供する。

西欧を模範とした近代化。富国強兵と文明開化を両輪とした進展を4っの概念から見る。すなわち政党政治、資本主義、植民地帝国、天皇制。

著者の立場は、植民地帝国という負の遺産を残し、原発事故という最大の汚点に至ってしまった資本主義、にもかかわらず、曲がりなりにも「議論による統治」を作り出したことへの評価がある。

戦後の日本は、米国主導の「地域主義」の先鋒隊とされた。現今の米国一強の衰退と、中国とどう対峙するかの状況は、第1次大戦後のワシントン体制と似るとの指摘は興味深い。


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