
著者松嶋は、TVで見たことがある。あまり感じがよくない風貌で、話し方も無愛想だ。
しかし顔に似合わず、本書はフランス料理の本質を地方料理の集成と捉え、歴史を分かりやすく語って間然するところがない。
私が前から疑問に思っていたことのひとつ、それはボルドーにはなぜ3ッ星レストランがなく、ローヌアルプに集中しているのか、ということなのだが、本書で氷解した。
複雑なボルドーワインには、単純な料理が合うのだ、ということと、ローヌアルプには、ブルジョワママンの料理人がいたということなのだ。
他にも情報が満載。レシピのほとんどが豚肉料理、それを各地方がどう調理するかの面白さがある。