『アジア辺境論』(姜尚中・内田樹)


この本での私にとってのハイライトは、内田の民主制論である。

内田によれば、民主制の反対概念は、独裁制ではない。むしろこの2っは親和性が高い。独裁制は、しばしば民主的手続きで誕生する。知性が疲労すると独裁制が出るのだ。

では独裁制の反対は何かと言えば、共和制である。共和制は、法の制定者と執行者が別の統治形態である。立法権と行政権が分離されているのだ。

面倒でも立法権はゆっくり育てなくてはならない。参議院など無用とか、強力なリーダーが必要というような性急な意見は危険だ。国会で議員が居眠りしている画像は、わざと立法権を蔑ろにする陰謀かもしれない。

いま米国も日本も欧州も、リベラルが退潮している。

本書のテーマは日韓台連携のアジア主義ということだが、それは言うは易く行うは難そうだ。


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